「コノイエ」にインタビュー記事が掲載されました

一般社団法人あんしん解体業者認定協会(長い)さんが運営されている「コノイエ」というサイトにneno1365のインタビュー記事が掲載されました。
インタビュー記事はコチラ

コノイエは

お家を建てようという方に向けて、住宅情報、施工主様の情報を発信しているメディア

とのこと。

一般社団法人あんしん解体業者認定協会(長い)さんは、解体業者を探している人と優良な解体業者さんをつなぐお仕事をされている会社。

解体に携わる中でお客様から「解体後に住宅を建てたい、信頼できる設計者や施工会社を紹介して欲しい」というお声があり、それに応える形で「コノイエ」というサイトを立ち上げられたそう。

自分が本当に希望する「家」はどういったものであるのか、ということに気づかせてくれる人に出会うことが「家」を建てるうえで最も大切であると、私どもは考えております。
出典:コノイエ

そんな思いに共感し、この度インタビューを受けさせて頂きました。
お時間がございましたらご一読下さい。

素晴らしき窓の世界

私は、肘掛け窓が好きだ。

肘掛け窓は、床に座った姿勢で眺望を得られる窓で、床から45cm程度上がったところから開口がある。
ちょうど、窓の下枠に肘を掛けることが出来るのでこの名前が付いた。

寺社・数奇屋・書院などの伝統建築における肘掛け窓

 

肘掛け窓はその特性から、和室でよく見かける。
和室が2階の場合には、安全のため粋な窓手摺が必要になる。

そんな肘掛け窓には、風鈴がよく似合う。浴衣と団扇がよく似合う。
蚊遣りの瀬戸物も外せない。いつの間にか猫も寄ってくる。

ふと気が付くと、窓の傍で浴衣が何か口ずさんでいる。

粋な浮世絵にも描かれる肘掛け窓

 

♪惚れさせ上手なあなたのくせに、諦めさせるの下手な人♪ ヨッ!

肘掛け窓には、粋な都々逸がよく似合う。
窓にしなだれかかっても良し、窓枠に腰掛けても良し。
艶っぽい都々逸窓は、浴衣の情感をしっかり受け止める。

このように、都々逸窓には「掃き出し窓」や「腰窓」とは一線を画した風情が漂っている。
忘れてはいけない文化の風景を、都々逸窓は私たちに見せてくれている。

建築家にとって、開口部(窓)はいつも最重要課題のひとつである。
採光、採風、眺望、断熱性等の機能面はもちろん、時にはその窓が放つ抒情味までも加味して、最適解を探し出す。だから、窓は面白いし骨が折れる代物でもある。

モダンな住宅建築における美しい都々逸窓

 

さて、浴衣の声がまた聞こえてきた。今度は三味の音もついている。

♪枕出せとは、つれない言葉、そばにある膝、知りながら♪ ヨッ!

いやぁ、都々逸窓、だから私は好きだ。

異種格闘技戦・最強王者

不毛な雑談のネタとして知られる「最強動物は何か?」という論戦。
日本中の、いや世界中の酒場で毎晩のように繰り広げられている。
私は長らく地上最強の動物はキリンに違いないと主張してきた。

しかし何と言ってもトラ派、ライオン派、ゾウ派が根強い多数派であり、
昨今はゴリラ派やカバ派、ワニ派も一大勢力に躍り出てきているようだ。

そんな中、キリン派の私はいつも孤軍奮闘の末、
賛同者を一人も増やすことができず口惜しい思いを募らせている。

キリンキック炸裂!!

 

キリンがキック一発でライオンをKOした映像や、
長い首をブンブン振りまくってお互いに強烈な頭突きをお見舞いする、
キリン同士の決闘シーンなどが目に焼き付いて離れない私は、
今後もキリン派としてキリン最強論者であり続けようと思っている。

が、しかしだ。ここで言う「最強動物=キリン」説は、
その闘いが無差別級の場合に限定されていることに気付かねばならない。

つまりそれは、動物たちが実在する自らの肉体を駆使して闘った場合の話なのだ。
ゾウやキリンはとてつもなく大きく、ハツカネズミはとっても小さいという、
実際の身体つまり本来の体格でぶつかり合った時の闘いというわけだ。

この無差別級において、私は最強動物としてキリンを推しているのだが、
無差別級以外にも、当然のことながら闘いのステージは用意されている。

それが契約体重制である。全選手を仮に100Kgに設定した上で、
その闘いを想像してみるという、なかなかに面白いステージである。
大体100Kgというと、人間のプロレスラー程度であるから想像にも少しリアリティが増すというものだ。

このステージになるとキリンは分が悪い。100Kgのキリンとなると、
おそらくその身長は、ジャイアント馬場程度かと思われる。
それでは無差別級時代のキック力も頭突き力も影を潜めてしまう。

無差別級ではその大きさにものを言わせていたゾウも、
みんな揃って赤ちゃんゾウのサイズになってしまい、パオパオと吠えてみても可愛らしいだけである。

大きさという最大の武器を取り上げられたキリンやゾウは、
契約体重制を生き残ることはできない。彼らは無差別級のスペシャリストなのだ。

さて、このステージになって俄然その存在感を誇示する一団がいる。
そう、皆さんもお察しの通りここでは虫たちがむやみに強い。
その中でもカブトムシの強さには凄味すら感じる。
体重100Kgのカブトムシ。小さめの自動車ほどの体躯になるだろう。

えっ!これぐらいの体躯からあの力強い角が突き出ているのか!?

 

自分の何十倍もの重さを平気で動かすカブトムシのことだ、
森でクワガタをヒョイっと何メートルも先にブン投げるカブトムシのことだ、
対戦相手は組み合った瞬間、小型車の頭から伸びるあの太い松の木に身体を捕られ、
いとも容易く50m先まで放り投げられてしまうのだ。
アァーーーッ!という断末魔の叫び声も一瞬にしてかき消される始末であろう。
もうそれで終わりだ。だれも敵わない。絶対王者の誕生である。

見よ!このパワーみなぎる王者の風格

 

まとめよう。私の考える世界最強動物・無差別級王者はキリン。
契約体重100Kg級王者はカブトムシとさせてもらう。
特にカブトムシは今のところ敵が見当たらない状態であり、
誰がカブトムシの独走を止めるのか、それこそが異種格闘技界最大の話題である。

さて、皆さんもジメジメと寝苦しい夜は異種格闘技戦の各階級王者を考えてみることをお勧めする。
意外とスッと眠りにつけそうである。
最後に、契約体重10Kg級団体戦王者は軍隊アリだと私は信じて疑わないのだ。

愛知・K邸『猫と楽しく暮らすおうち』ができるまで 17

愛知・K邸の新築工事が一段落したので、設計事務所チェックと施主チェックを兼ねて竣工写真撮影に行ってまいりました。
当日は台風の影響が残って荒天も予想されましたが、現場は雨にも降られず快調に撮影してきました。
今回撮影をお願いしたトロロスタジオの代表で写真家の谷川さんは、元々有名建築事務所に勤務されていた建築家でもあり、建築写真の勘どころを熟知されているのでとても頼もしい限りでした。

大雨の予報でしたが晴れました

さらに谷川さんは、ご自身でも猫を飼っている大の猫好きで、その中の一頭マンチカンのノンちゃんをモデル猫として現場に連れてきてくれました。
谷川さんによるとノンちゃん、いつもは人懐っこく物怖じしない性格のようですが、さすがに初めての場所で知らない人がいっぱいいたからか、終始緊張しっぱなしで可哀想なくらいでした。
なもんで途中からは人があまり近寄らない静かな場所に待機してストレス緩和に努めてもらいました。

それでもノンちゃんは頑張りました

そこで代わりに張り子のハリーがモデルとして登場。もちろんプロ写真家のモデルではなく、私たちの記録写真用のモデルとしてハリーには活躍してもらいました。
ハリー最大の長所である「緊張しない」「撮影者の言う通りジッとしてられる」という性質を存分に発揮して、香箱座りのままいろんなシーンを演じてくれました。

通称「猫廊下」でのハリーの様子

 

リビングのキャットウォークを満喫するハリー

 

トイレ内に猫のトイレも設置可能。廊下から猫トイレは覗けます

 

中庭と家の中は猫用通路でつながってます

 

さて、トロロスタジオさん撮影のドローンをも駆使した素晴らしい竣工写真は、出来上がり次第ホームページにアップしようと思いますので是非ともお楽しみに。

ちなみに現場で緊張していたノンちゃん、お家に帰ってしばらくは谷川さんによそよそしかったそうですが、次の日にはケロッと元気になったみたいで、こちらとしてもひと安心です。

次元を考えてみる(特に四次元)

建築家の仕事に「図面を描く」という作業がある。
平面図・立面図・断面図に始まり、非常に多くの「図面を描く」

これは、頭の中の建築物を様々な“切り口”から観察し、紙に写し取る作業である。
いわば、3次元の立体物を2次元化する作業である。

その後建築家は、この2次元の建築物が正しく3次元化されるまでを見届ける。
これが「監理する」という作業である。

このように、建築家は否応無く「次元を行き来する」のである。
自らを気取って「次元の旅人」と呼んでいる人がいるかもしれない。

しかし、今日の話はそんな気取った旅人のことではない。
2次元・3次元の話ではない。話は四次元についてである。

3次元に時間軸が加わったとされる「四次元」
ブラックホールに吸い込まれた先に広がるとされる「四次元」
ドラえもんのお腹にその口を開いている「四次元」

四次元は、少年期の私に憧れと恐れと現実の苦さを教えてくれた。
SF話の中で、四次元は多くのワクワクとドキドキを与えてくれた。
が、現実世界で四次元は多くの「?」を残した。

あの頃、プロレスが大好きだった私たちの前に初代タイガーマスクが現れた。
今まで見たこともない華麗な技が凄いスピードで繰り出された。
超人的身体能力でリング狭しと跳び回り、リング外にまで高く鋭く飛んでいった。
全国の少年が大いに熱狂した。私たちはテレビの前で興奮のあまり我を忘れた。実況の古館アナも半狂乱の様子だった。「出たぁ!タイガーの四次元殺法だぁ!」「飛んだぁ!四次元殺法だぁ!」

いや、3次元である。それは見事なまでの3次元である。縦・横・高さを自在に駆使した華麗な3次元だった。四次元ではなく3次元。「四次元」は階段を一段降りた。

とにかくよく動くから四次元なのかなぁ

 

あの頃、兄が私を大声で呼んだ。
「幸宏、四次元や!四次元や!」私は駆け寄って兄を見た。
兄は母の鏡台の前に座り、三面鏡の左右を少し閉じ、そこに自分の顔を挟んでいた。
鏡の中では、兄の顔が無数に広がっていた。「お前も、四次元行ってこいや!」と興奮した兄が、私に場所を譲ってくれた。「うわぁ、兄ちゃん、めっちゃ四次元やん!」「なぁ、四次元やろ!」その後兄弟は、代わる代わる顔を挟んでいた。

‥‥3次元である。いや、この場合は2次元である。無数の顔が鏡に映ったという、大量の2次元だった。四次元ではなく2次元。「四次元」は階段を二段降りた。

ドラゴンはどの次元においてもヒーローである

 

こんなに美しい鏡の世界も2次元でしかない

 

「四次元」は私の前に姿を現すことは無かったし、今後も無いだろう。
私の「次元の旅」は2と3の間で充分である。
なぜならこの旅は、なかなかに困難でそれでいてとても楽しいものだからだ。

愛知・K邸『猫と楽しく暮らすおうち』ができるまで 16

愛知・K邸の新築現場。
中庭に植える庭木を選びに造園業者さんとともに植木屋さんに赴きました。

造園屋さんが薦めてくれたシダレウメ良いなぁ

カツラも良いが大きくなり過ぎるからなぁ

ブラシの木も面白いけどね

 

「猫が登りやすい枝ぶり・樹皮で、花や実が楽しめ、世話が楽なあまり巨木にならない樹種」
というかなりの難問に応えようと、庭木の専門家が本物の木々を前にいろいろと解説してくれました。
やはり専門家に直接話を聞くと書籍やネットでの情報・知識とは違う、その地域ならではの樹木の現実も教わることができて大変に有意義な時間となりました。

ヤマモモが丁度良い感じだった

何か猫が登りやすそうな木

 

で、私たちの難問に悩んでもらった結果、中庭の木はヤマモモに決定いたしました。
爪がうまく引っかかりそうな樹皮で、比較的低い位置から横に枝が伸びているので、猫にとってはとても登りやすそうです。また、美味しい実が出来るようなので人も大いに楽しめそうです。

人を見下ろすキャットウォークからの眺め

キャットウォークには人も登れます

それにしてもK邸に住む猫たちは、室内にも中庭にも高い居場所を用意してもらってなかなか贅沢なことです。

愛知・K邸『猫と楽しく暮らすおうち』ができるまで 15

愛知・K邸の新築現場に工事監理・打合せのために行ってきました。
家具・建具の設置が始まり、現場も佳境を迎えております。

猫が通り放題のリビング壁

 

猫も人も通れるキャットウォーク

 

K邸の場合、猫のためにいろいろと特殊な造作が施されているのですが、
その多くの部分を担っているのが家具・建具屋さんです。

猫のための廊下も完成間近

 

中庭を見ながらお料理できるキッチンを設置

 

曲壁下の凹みは猫用ダイニングスペース

 

精密さを要求される家具屋さん・建具屋さんの仕事は、
その住宅の美的要素に重要な影響を与えます。
「緻密なる機能美」これこそが仕事の肝なのです。

寝室小上がりの下はコロコロ収納

 

こう言うと家具屋さん・建具屋さんは寡黙な求道者のような人物像に感じられますが、
大概の場合、逆にとてもにこやかで愛想が良く、話し易い好人物であることが多いようです。今回の家具・建具屋さんもとても明るくにこやかな方でホッとしました。

猫も人もくつろげる中庭

 

いたってシンプルな外観

 

玄関にはシュッとした棚板

 

K邸に住む猫ちゃんたちは、いろんな職人さんたちのおかげでとても楽しい生活を送れることを感謝してくれるでしょうか。

 

愛知・K邸『猫と楽しく暮らすおうち』ができるまで 14

愛知・K邸の現場から連休明けの報告写真が届きました。

リビングの雰囲気が良いなぁ

ダイニングキッチンの雰囲気も良いなぁ

 

現場は一所懸命に頑張って頂いておりますが、特注建材の納期の問題で完工が少し延びて6月になりそうです。その他にもいくつか解決すべき問題がありますが、力を合わせて乗り切ります。

猫廊下のキャットステップ

逆光ですが猫廊下のキャットブリッジ

リビング壁の猫用造作はまだまだこれから

 

猫用の造作も随分仕上がってきましたし、中庭の工事も本格的に始まりました。

ウッドデッキ始まってます

中庭の竪格子スクリーンは脱走防止
次回、現場でのチェックを楽しみにします。

最近雨男なんで、今回の写真のような快晴を願います。

愛知・K邸『猫と楽しく暮らすおうち』ができるまで 13

愛知・K邸の現場は連休中も稼動していたようです。

リビングの壁に猫造作の一部が

 

5月末の完工を目指して現場はGW中も奮闘しているようです。

写真は連休に入る直前、現場から入った進捗報告の一部。
もちろん写真をチェックして指摘すべき箇所はきっちりと指摘しました。

リビングピットと曲壁

 

曲壁の玄関に曲線の飾り棚

 

玄関とシューズクロークをホールから見る

 

さていよいよ工事も仕上げの段階に入ってきました。
再度ネジを巻き直して頑張りますし、現場にも頑張ってもらいます。

猫廊下もその全貌が見えてきました

 

中庭も少し整備されてきました

愛知・K邸『猫と楽しく暮らすおうち』ができるまで 12

愛知・K邸の造作家具・建具・設備等の三者打合せのため現場に行ってきました。

広いリビングの壁にも実は猫のための施策が

 

当日4月1日は新元号発表の日であり、私たちは車内のラジオで『レイワ』と聞いたのです。アナウンサーが「年レイのレイ」と言うものだから、『齢和』だと勘違いして、
「ちょっと冴えないなぁ」とか「菅長官も額縁持ってて恥ずかしいんじゃないか」とか
「歯科医が喜ぶだけだなぁ」などと的外れな感想を並べ立てておりました。

で、現場に着いてお施主さん・施工者・私たちの三者打合せが始まりました。
何と言ってもK邸は猫と楽しく暮らすお家ですから、人も猫も喜ぶ仕掛けを随所に散りばめています。それが一番分かり易く、特殊なかたちで出てくるのが造作家具という事になります。

猫廊下には既に大工さんが猫ブリッジを施工

 

リビングの猫造作も一部大工さんが施工済み

 

曲壁下の猫食堂も形が見えてきている

 

監督も家具・建具屋さんも腕の良いベテランですが、猫にこれほど寄り添った家は未経験なので、打ち合わせ中も「へえ、そうなんですか、猫ってそういうものなんですか」
「ああ、それでこれをこんなカタチにしてるんだ、図面見た時何だろうって思ってたんです」としきりに言ってました。

考えてみれば中庭も猫のためのスペースです

 

皆さん納得してくれたので、あとは職人さんの腕の見せ所です。
素晴らしい物が出来上がるよう期待しています。

内壁下地の釘間隔を測るという地味なことも忘れず