基本的に缶コーヒー

話は缶コーヒーのことである。
私は缶コーヒーに弱い。飲むと十中八九胃もたれに陥る。
缶コーヒー以外のコーヒーは大丈夫なのだが、缶コーヒーには相性が悪い。
メーカー、糖度、温度問わず胃がもたれる。
もちろん自分で買うことはない。

しかし私は頻繁に缶コーヒーを飲むのである。
メーカー、糖度、温度問わず飲むのである。
もちろん自分で買ったのではない。

工事中の現場には、昼休み以外に10時と15時に2回の小休止が存在する。
その時間に我々設計者が現場にいた場合、監督さんが職人さんや我々に飲み物の差入れをしてくれる場合がある。その飲み物がほぼ100%缶コーヒーなのである。

職人さんは缶コーヒーが好きである。大好物である。特に無糖。
夏は渇いたノドを潤し、冬は冷え切った身体を温める。
再開した仕事が大いに捗っている。

私は差し出された缶コーヒーを手に取って少し困ってしまう。
夏は首筋に当てて涼をとり、冬はカイロ代わりに握りしめる。
しかし、いつまでもそうもしてられないので飲んでみる。
大体20分もすれば胃がもたれてくる。
後々の仕事の効率が少し落ちる時もある。

dobuduke

現場ではいわゆるドブ漬けの状態が多い

そんな私は、職人さんへの差入れを自分で買うこともある。
むしろ積極的にそうしようと心掛けている。
当然自分の飲み物はお茶類にして危険を回避する。
さらに自分と同じ悩みの職人さんがいるかもしれないと思い、
お茶類を2~3本混在させておく。

小休止後、職人さんが仕事に取り掛かった時、
ほぼそこには2~3本のお茶類が残っている。

職人さんの大好物は缶コーヒーである。特に無糖。