凄い工芸品

昨日サントリー美術館で開催中の宮川香山展に行ってきました。
「精緻を極めた芸術作品とはこのことだ」と呆気にとられました。
人間の『熱』を否応なく発散する作品群に感動いたしました。

ド素人の私が何か偉そうに説明するべきではないし、
21世紀になって10数年経った今、宮川香山についてわざわざ図書館に行かなくても、指先一つで調べは尽きます。興味のある方はどうぞよろしくお願いします。

kani
高浮彫蟹花瓶の迫力

ところで、最近美術展に行くと“なんちゃって学芸員”さんの解説の声が多くて困ります。
同行者に対していろいろと説明しているようですが、その声が大きくて雑音になってます。
作品の前に書かれている内容を早く読み終えて、それを喋りまくるという古典的な“なんちゃって学芸員”に加え、それこそ指先一つで成り上がった“なんちゃってウィキ学芸員”も増加中です。
さらには昨日のような工芸品、特に焼物ともなると自称蒐集家やカルチャーセンターの陶芸教室で鍛えられた自称陶芸家がわんさと押し寄せて百家争鳴の趣でした。

そういう方と巡りあわせで隣り合ったまま鑑賞するとこれはもう辛い。
一旦コースから離れて、一人で来ている方の後ろを狙ってコースに再入場します。
昨日も私の前後への再入場者が続いたのは、同じ悩みの人が案外多いということかもしれません。
音声解説サービスを有料レンタルするべきだったなと思う瞬間が何度もありました。

しかしそんなこととは無関係に展示作品は本当に圧巻の迫力です。
こんなに素晴らしいものが残っていることが嬉しくなる週末でした。

球春に思う

本日はプロ野球の開幕だそうで、野球ファンは大騒ぎである。
しかし私は、あまりワクワクした気分にはならない。

別に野球が嫌いではないし、野球音痴ということもないが、
ここ10年以上プロ野球を観に行っていない。

子供の頃は、地元阪急ブレーブスの大ファンだったから、
近くの阪急西宮球場によく試合を観に行った。
強いブレーブスに大いに熱狂していたことが思い出される。

実際に野球をプレーした経験も子供の頃でストップしている。
大人になってからは草野球チームに所属したこともなく、
ごくたまにテレビゲームの野球をした程度である。

全くもって野球ファンとは言い難い私であるが、
メジャーリーグも含めて何故か野球は嫌いではない。

昔は芸能人野球大会などという、今考えれば
何がどう面白いのか分からないようなテレビ番組まで見ていた。

ちっとも面白くない番組ではあったが、
毎回毎回ある同じシーンが、飽きもせず繰り返されるのを楽しみにしていた。
私はそのお馴染みの一場面見たさに、つまらない番組を我慢して見ていた。

そして4回裏1アウトランナー無し、ついにその場面が始まった。
主役はマチャアキと井上順である。
ピッチャーのマチャアキがバッターの順にわざとボールをぶつける。

怒る順がバットとヘルメットを投げ捨て、
鬼の形相でマウンドに近づいていく。

迎えるマチャアキもグローブを叩きつけ、
ケンカ腰で順に向かって、憎たらしい態度でマウンドを降りる。
乱闘寸前、一触即発のムードが高まりチームメートも心配する。

ホームベースとマウンドの中間地点で、ついに二人が対峙したその瞬間、
二人は手と手を取り合い、社交ダンスを狂ったように踊る。
両軍ベンチで笑いながらズッコケてみせる芸能人の群れ。

もう、毎年毎年これである。
去年は順がピッチャーで、マチャアキがバッターではあったが、
それ以外は寸分変わらない、正に偉大なる茶番が展開されるのだ。
これを見ずに風呂になど入ってられるものかと私はいきり立っていた。

最強コンビの若かりし頃

さて、野球の季節ではあるが、今や野球ファンとは言えない私は、
さほど高揚しない。でも、今年は1回ぐらい球場に行きたいものだ。
社交ダンスは見れなくて良いが、いい試合は是非とも観たい