もう何十年も前の不確かな記憶ではあるが、その昔土曜の夜は充実していた。
なにせ全国的に「8時だヨ!」と「ひょうきん族」が張り合っていた。
関西では既に7時半から「クイズダービー」と「部長刑事」がしのぎを削っていた。
9時、ここが分水嶺。「ゴールデン洋画」「土曜ワイド」で11時まで一気に走ることもできたし、「Gメン」に熱狂することもできた。私はといえば非常に日和見的で「洋画」と「土ワイ」のタイトルに左右されていた。「天知の明智小五郎」「藤田の音川音次郎」にはめっぽう弱く、「土ワイ」の軍門に下ることも多かった。
しかし基本線は違った。次の10時に備えて「Gメン」もしくは風呂を選択した。10時、そこには「明智や音川」に肩を並べる良質のビッグコンテンツが堂々と横たわっていた。
その番組、それこそが昭和を代表する最強低俗番組「テレビ三面記事 ウィークエンダー」に他ならない。
とにかく扱うヤマの殆どがB級。のぞきや下着泥棒といった出歯亀系はもちろん、食い逃げ、コソ泥、寸借詐欺、果てはサファリパークのライオンが絶倫過ぎて困るといった話題まで、事の顛末をレポーターという名の講談師たちが、数枚の写真パネルを使って丁寧に面白おかしく紹介してくれた。
パネルに写った事件関係者の目の周りには、一様に焼海苔のような黒い目隠しが施され、この時代としては精一杯のプライバシー保護を考慮してますよ風を吹かしていた。
ちなみに前述した絶倫のオスライオンの写真の目にも焼海苔が貼られており、これには子供心に大人の悪ふざけを感じたものであった。
そんなウィークエンダー、番組内容もさることながら、司会の加藤芳郎の後ろにずっと映っていた番組ロゴマークが渋かった。煙草をはさんだ指がテクテク歩いているそのデザインには、加藤芳郎の風貌と相俟って、子供心に大人のかっこ良さを感じたものであった。
で、あのかっこ良いロゴへのオマージュを込めて今回「猫と建築社」でTシャツを作ってみました。「猫と建築社」なので、猫に寄ったデザインと建築に寄ったデザインの2種類をご用意いたしました。
ご興味をお持ちの方は、是非とも下記の「猫と建築社のお店」のホームページまでお越し下さいませ。というわけだ!(桂 朝丸)
https://nekokenshop.thebase.in/
来週こそ良い週でありますように。